東京国立にある出張訓練WANLOVE代表トレーナー渡辺のコラム集です。
服従と順位付け

良くしつけの本などで目にする「犬は群れの生き物、家族の中で順位付けをしていきます。」という説!これで惑わされ、”服従させなきゃ!”と張り切ってお考えになられる方、多いですね〜。
私は仕事の関係上、相当数の犬とそのご家族とお会いするのですが、この”順位付け”があるとはどうしても思えないのです。
複数頭で犬を多頭飼いをしていますと、この順位付けは犬同士の中では必ず起こってきます。ただここに人が含まれるかと言うと、まず含まれません。
良く「お父さんが1番、お母さんは2番、その下に犬がいて、お子さんが一番下・・・」などと聞きますが、どうもよくよく観察して見ますとお父さん対犬、お母さん対犬、お子さん対犬・・・といった感じで個々に関係性を結んでいるのではないでしょうか?
この順位付けの話になると必ず出てくるのがオオカミの例、「犬は元々オオカミで・・・」というのは何万年も前の話、犬は今現存するものは全て人の手が入り、故意に作出されています。用途に応じた性格、体形を選択し、繁殖、淘汰を繰り返しておりますので、野生のオオカミとの比較はあまりにかけ離れ、人と密に生活を始めた犬との生活形態の差は歴然としております。
しつけをする際、家族で犬に対するルールを決め、皆が同じコマンド、同じ扱いをするべき・・・と良く言われるのは実は個々に関係性を結ぼうとする犬に対し、大人から子供まで(家族の中で)均等に関係が成り立ちやすくなるからではないでしょうか?
お子さんは良い遊び相手なので追い掛け回したり、おもちゃを取り合ったり、時には乱暴にぶつかったり、楽しく遊ぶ割にはお子さんの言う事は聞かず、お父さんは体も大きく、力も強く、声も大きい。言う事を聞かないと怒られる、ヘタをすればひっぱたかれるかも知れないので、良く言う事を聞く。お母さんはやさしいので時と場合によっては言う事を聞いたり聞かなかったり・・・。
上記したパターンは良く見られる家族の中での犬の関わり方ですが、これを順位付けと解釈されるようです。冷静に考えると、これこそまさに個々関係を結んだ結果と言えるのではないでしょうか?
では順位付けの考え方の弊害は何でしょうか?それは”服従”です。
犬を一番下の順位に置こうとするあまり、一生懸命犬を服従させようとします。ではなぜ服従が必要なんでしょうか?服従をさせようとすると実力行使に出る方は多いですね。(力や声などによる威圧)
タフな子なら成り立つのですが、少々シャイな子ならすぐめげてしまいます。
皆さん、なんで犬を飼い出したんですか?可愛がって、楽しく暮らす事を夢見て飼いだすのではないでしょうか?その可愛いはずの犬を服従させる必要性が私には理解出来ません。
必要なのは”服従”でなく、”リーダーシップ”ではないでしょうか?
この2つの似た雰囲気を持つ言葉、似ているようで全く異なります。
例として、ご自分が会社組織に入り、上司を持つ事を考えて見て下さい。
あなたは”服従させられたい”と思いますか?
恐らく、皆さんが求めるのは服従させられる恐ろしい上司ではなく、頼れ、信頼出来るリーダーを求めるのではないでしょうか?
犬も同じです。常に声を荒げ、実力行使に出る凶暴な飼い主が理想像ではなく、楽しく遊べ、時には頼れ、信頼し張り切って指示に従おうと思えるような飼い主を求めているのです。
何万年も前の例を引き合いに出し、”これぞ真理”とばかりに服従や順列ばかりを繰り返す古い考え方にとらわれず、犬との健全な関係性を構築出来るように・・・・。皆さんご自分と犬のあり方を見つめ直して見てください。

 

2004/10/18

posted by 渡辺元規 | 13:16 | 服従と順位付け | comments(0) | - |
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