東京国立にある出張訓練WANLOVE代表トレーナー渡辺のコラム集です。
おやつの功罪

よくしつけの方法での賛否で話題になる「おやつ」について書いて見ようと思います。

僕の行う教室や実際トレーニングを受けて頂いた方はご存知かと思いますが、僕は最初の説明で「これからバンバンおやつを渡して行きます。」とまずお話します。
さらにこのおやつの渡し方や渡す量、おやつを使う事の意味まで細かくご説明させて頂きます。

おやつはおやつで釣る為に使うのでは無く、わかりやすく犬にとって良い事を起こしてあげる為、また毎回良い事が起こるイメージをきちんと定着させる為に用いています。
またアイコンタクトや動作を引き出す最初の目印として効果的に用います。

良く、上手に座れたら”褒めましょう”とか、上手にトイレが出来たら”褒めましょう”などと書かれているのを目にします。

この”褒めましょう”が中々厄介で、良くお話するのは「褒める」または「褒めた」事が確実に犬に伝わっていれば良いのですが、仮に伝わっていないとしたらどうでしょう?
全く無駄かも知れないのです。

多くの場合、諸々の経験の乏しいパピー(仔犬)にいきなり人の考える事の意図を明確に伝える事は困難です。
伝えたい事をより明確に伝えるには「褒めること」から確実に教えてあげなければなりません。

犬の学習は今起こっている事とその前後に起こる出来事が頭の中で関連付いて学習が進みます。
噛み砕いて言えば「よしよし」などの褒め言葉をかけて→おやつを渡す。
を繰り返す事により、「よしよし」と言われると後に喜ぶ反応が出て来ます。
この時点で初めて「よしよし」と言う言葉が意味を持ち始め、褒める事が有効に活用出来始めます。

この段階までを効果的かつ確実に学習へと導くには毎回確実に犬にとって良い事を起こしてあげる事が重要になります。

撫でたり、抱っこしたり、ボールを投げたり、引っ張りっこをしたりという事も有効ですが、毎回タイミング良く使用するには少々使い勝手が悪いかと思います。

使いやすく、効果的なのはおやつを毎回必ず(ココは大事なポイントです)渡す事が学習を定着させる効果的な方法だと思います。

渡す量は極少量で構いません。
お腹を満たす為に渡すのでは無く、むしろもっと欲しいと思ってくれれば、学習にとって重要な欲が伸びます。
また多くの量を渡してしまうとその都度咀嚼するのに時間がかかり、テンポ良く次の動作に移るのに時間がかかってしまいます。
カロリーや体重を気にする方にとっても多くを渡す必要が無く、効率が良いならば使いやすいかと思います。

良く巷で言われる「おやつを使うとおやつが無いと動かなくなる」のは中途半端におやつを使用した場合です。
犬は全ての行動が習慣化します。
毎回おやつで動いていたとしても、繰り返す事により、あってもなくても同じ動作を確実に行う様になります。パターン化するからです。

またトレーニングを進める中で最初のきっかけとしておやつはあるものの、動く事、追いかける事の方が遥かに面白味を持ち始めます。

上手くおやつを抜けないのは最初のきっかけとしてのおやつから遊びの面白さに上手く移行出来ない、した経験が無く、おやつで動作を引き出す事で止まってしまっている場合が多く見受けられます。

同じおやつの使用でも無駄におやつを求められるに応じて渡したり、公園などの多くの犬の集まる場所で他人の犬に無駄にばら撒いたりする事にはなんの意味も無いばかりか、あまり良い影響を及ぼす事はありません。
あるのは犬達の興奮を呼び起こしたり、おやつの取り合いで揉める火種を作る結果となったり…
これは渡す人間が犬にモテている様な錯覚を起こしている自己満足に過ぎません。

効果的な学習とその先に繋がる楽しく人と共に動く感覚に入って行ける様に上手なおやつの使用を皆さんに学んで頂ける事を切に望みます。

posted by 渡辺元規 | 15:13 | おやつの功罪 | comments(0) | - |
Search this site